
Contents
変形性股関節症のリハビリはなぜ重要か
変形性股関節症と診断されたとき、「安静にしていたほうがいいのでは」と思う方は少なくありません。しかし実際には、適切な運動療法こそが痛みの軽減と進行の予防に最も効果的とされています。
股関節まわりの筋肉が衰えると、関節への負担が増し、痛みが強くなる悪循環に陥ります。逆に、ストレッチで柔軟性を保ち、筋力トレーニングで関節を安定させれば、日常生活の動作がぐんと楽になります。
この記事では、自宅でできるストレッチ5種類・筋力トレーニング4種類を中心に、変形性股関節症のリハビリ方法をわかりやすく解説します。進行度別のリハビリメニュー、水中運動の活用法、やってはいけない運動、痛みが出たときの対処法、再生医療の選択肢まで幅広くお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
変形性股関節症の進行と症状
変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減ることで痛みや動きの制限が生じる疾患です。加齢や体重の増加、先天的な骨格の特徴(臼蓋形成不全)などが原因となります。
変形性股関節症の原因について、さらに詳しくはこちらの記事でも解説しています。
前期〜末期の4段階
変形性股関節症は、レントゲン所見によって以下の4段階に分類されます。

変形性股関節症の進行分類
前期(前股関節症)
軟骨のすり減りはほとんどありませんが、臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)など将来的に変形が進みやすい状態です。この段階では自覚症状がないことも多いです。
初期
軟骨がわずかにすり減り始め、長時間の歩行や立ち上がりで股関節に違和感や軽い痛みを感じます。関節のすき間がやや狭くなり始めます。
進行期
軟骨のすり減りが進み、関節のすき間が明らかに狭くなります。骨のう胞(骨の中に空洞ができる変化)や骨棘(こつきょく:骨のとげ)が見られることもあります。歩行時の痛みが強まり、靴下を履く・あぐらをかくといった動作がつらくなります。

末期
軟骨がほとんどなくなり、骨同士が直接ぶつかる状態です。安静時にも痛みが出ることがあり、日常生活に大きな支障をきたします。この段階では手術が検討されることが多くなります。
前期〜初期のうちに運動療法を始めることが、進行を遅らせる大きなカギになります。
進行度別のリハビリメニュー目安
同じ「変形性股関節症」でも、進行度によって適切なリハビリの内容が異なります。主治医・理学療法士と相談しながら、自分の段階に合ったメニューを選びましょう。
| 進行度 | 主な目的 | 推奨メニュー | 運動強度 |
|---|---|---|---|
| 前期・初期 | 軟骨への負担を減らし進行を予防 | ストレッチ全般・中殿筋トレーニング・水中ウォーキング | 軽〜中等度 |
| 進行期 | 痛みの軽減・筋力維持・日常動作の確保 | 関節に負荷の少ないストレッチ・SLR・クッション挟み・水中運動 | 軽度 |
| 末期(保存療法継続中) | 筋萎縮の予防・手術後のリハビリ準備 | ベッド上の関節運動・アイソメトリック運動・水中歩行 | 最軽度 |
| 術後(人工関節後) | 関節機能の回復・日常生活復帰 | 理学療法士の指導のもとで段階的に実施 | 医師指示に従う |
臼蓋形成不全(股関節の屋根が浅い方)の場合は、過度な開脚ストレッチや深いスクワットは軟骨をすり減らすリスクがあります。前期のうちから中殿筋・大腿四頭筋の強化を中心にすることで、関節の安定性を高めておくことが大切です。
自宅でできるストレッチ5選
股関節まわりの筋肉が硬くなると、関節の動きが制限され、痛みの原因になります。毎日のストレッチで柔軟性を保つことが、変形性股関節症のセルフケアの基本です。
いずれのストレッチも、痛みが強いときは無理をせず、心地よい伸びを感じる程度で行ってください。
1. 股関節の開閉ストレッチ(仰向け)
股関節まわりの筋肉をまんべんなくほぐす基本のストレッチです。体への負担が少なく、初期の方にも取り組みやすい動きです。

- ステップ1:仰向けに寝て、両膝を立てます
- ステップ2:両膝をゆっくり外側に開きます(カエルの足のようなイメージ)。足の裏同士を合わせるとより股関節がしっかり開きます
- ステップ3:心地よいところで5秒キープし、ゆっくり戻します
回数・セット数の目安:10回 × 1日2〜3セット
開く角度は無理のない範囲で構いません。痛みが出たらすぐに中止してください。
2. 股関節の前面ストレッチ(腸腰筋)
腸腰筋(ちょうようきん)は、股関節の前側にある筋肉です。デスクワークや座っている時間が長い方は特に硬くなりやすく、股関節の痛みにつながります。
- ステップ1:片膝を床について、もう片方の足を前に大きく出します(片膝立ちの状態)
- ステップ2:背筋を伸ばしたまま、体をゆっくり前方にスライドさせます
- ステップ3:後ろ側の足のつけ根に伸びを感じたら、15〜20秒キープします
回数・セット数の目安:左右各3回 × 1日2セット
膝が痛い方は、床にタオルやクッションを敷くと楽に行えます。
3. お尻のストレッチ(梨状筋)
梨状筋(りじょうきん)は、お尻の深いところにある筋肉です。ここが硬くなると股関節の動きが悪くなるだけでなく、坐骨神経を圧迫してしびれの原因になることもあります。
- ステップ1:仰向けに寝て、両膝を立てます
- ステップ2:片方の足首を反対側の膝の上に乗せます(数字の「4」の形)
- ステップ3:下になっている足の太ももを両手で抱え、胸のほうに引き寄せます。お尻に心地よい伸びを感じたら15〜20秒キープします
回数・セット数の目安:左右各3回 × 1日2セット
手が届きにくい場合は、タオルを太ももに引っかけて引くと楽にできます。
4. 太もも裏のストレッチ(ハムストリングス)
ハムストリングスは太ももの裏側にある大きな筋肉群です。硬くなると骨盤が後ろに傾き、股関節への負担が増えます。
- ステップ1:床に座り、片足を前に伸ばします(もう片方は軽く曲げてOK)
- ステップ2:背筋を伸ばしたまま、おへそを太ももに近づけるイメージでゆっくり上体を前に倒します(背中を丸めないのがポイント)
- ステップ3:太もも裏に伸びを感じたら15〜20秒キープし、ゆっくり起き上がります
回数・セット数の目安:左右各3回 × 1日2セット
無理に手をつま先に届かせる必要はありません。
5. 内もものストレッチ(内転筋)
内転筋(ないてんきん)は太ももの内側にあり、股関節を安定させる役割があります。硬くなると股関節の開きが悪くなります。
- ステップ1:床に座り、両足の裏を合わせます(あぐらを開いたような姿勢)
- ステップ2:両膝を軽く手で押しながら、ゆっくり下に開きます。重力にまかせて自然に開く程度で十分です
- ステップ3:内ももに伸びを感じたら15〜20秒キープし、ゆっくり戻します
回数・セット数の目安:5回 × 1日2セット
痛みがある場合は膝を無理に床へ押しつけないでください。
股関節を安定させる筋力トレーニング4選
ストレッチで柔軟性を確保したら、次は筋力トレーニングで関節を支える筋肉を鍛えましょう。股関節まわりの筋力が高まると、関節への負担が減り、歩行時の安定感が増します。
いずれも自宅で道具なしで行えるトレーニングです。
1. 中殿筋トレーニング(横向きで足上げ)
中殿筋(ちゅうでんきん)は、お尻の横にある筋肉です。歩行時に骨盤を安定させる重要な役割を持っており、この筋肉が弱いと歩くときに体が横に揺れてしまいます。変形性股関節症・臼蓋形成不全の方にとって最優先で鍛えるべき筋肉です。

- ステップ1:横向きに寝て、下の足は軽く曲げます。体がまっすぐになるよう整えます
- ステップ2:上の足をまっすぐ伸ばしたまま、ゆっくり天井に向けて上げます(床から30〜40cm程度が目安)。つま先を少し下に向けると中殿筋に効きやすくなります
- ステップ3:上げきったところで3秒キープし、ゆっくり下ろします。体が後ろに倒れないよう注意してください
回数・セット数の目安:10〜15回 × 左右各2〜3セット
慣れてきたら、足首に薄いおもり(500g〜1kg程度)をつけて負荷を高めることもできます。
2. 内転筋トレーニング(クッション挟み)
内転筋(ないてんきん)は太ももの内側にある筋肉群です。股関節を内側から支える役割を担っており、臼蓋形成不全の方の関節安定にも効果的です。

- ステップ1:仰向けに寝て、両膝を立てます
- ステップ2:膝のあいだにクッションやタオルを挟みます(直径10cm程度のものが適当)
- ステップ3:クッションを両膝でゆっくり5秒間つぶし、3秒休みます。お腹や腰に余分な力が入らないよう意識しましょう
回数・セット数の目安:10〜15回 × 1日2〜3セット
椅子に座った状態でも同様に行えます。テレビを見ながらでも手軽にできるトレーニングです。
3. 大腿四頭筋トレーニング(SLR:足上げ)
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は太ももの前面にある大きな筋肉です。膝を伸ばす力を生み出し、立ち上がりや階段の昇降を支えます。「SLR(エスエルアール)」とも呼ばれ、変形性股関節症のリハビリで広く活用されています。

- ステップ1:仰向けに寝て、片方の膝を立てます。もう片方の足は膝を伸ばして床に置きます
- ステップ2:伸ばした足のつま先を上に向け、太ももの前側に力を入れながら、床から10〜15cmゆっくり上げます。腰が反らないようお腹に軽く力を入れるのがポイントです
- ステップ3:上げた状態で5秒キープし、ゆっくり下ろします
回数・セット数の目安:10〜15回 × 左右各2〜3セット
太ももの前側に力が入っていることを必ず確認しながら行ってください。
4. 大殿筋・ハムストリングストレーニング(ブリッジ)
大殿筋(だいでんきん)はお尻の大きな筋肉、ハムストリングスは太もも裏の筋肉群です。どちらも歩行や立ち上がりで重要な役割を果たします。


- ステップ1:仰向けに寝て、両膝を立てます(足は肩幅程度に開く)
- ステップ2:お尻の筋肉をぎゅっと締めるイメージで、ゆっくりお尻を持ち上げます。膝から肩までが一直線になるようにします(腰を反りすぎないよう注意)
- ステップ3:上げきったところで5秒キープし、ゆっくり下ろします
回数・セット数の目安:10〜15回 × 1日2〜3セット
慣れてきたら片足ブリッジ(片方の足を少し浮かせる)に挑戦するとより効果的です。
水中運動(アクアリハビリ)の活用
「陸上の運動では痛みが出やすい」「体重が多めで関節への負担が心配」という方に特におすすめなのが、水中での運動です。
水中運動が有効な理由
水には浮力があるため、股関節にかかる体重の負荷を大幅に軽減できます。胸まで水に浸かると体重は約10分の1程度になるといわれています。それでいて水の抵抗が適度な筋力トレーニングになるため、関節を傷めずに筋力と柔軟性を同時に鍛えられる優れた方法です。
おすすめの水中運動メニュー
- 水中ウォーキング:プールの中を前後に歩く。1回20〜30分が目安。水温が低いと関節がこわばるため、温水プール(水温30〜33度程度)が理想的です
- 水中での足振り:プールの壁につかまりながら、足を前後・横方向にゆっくり振る。中殿筋・腸腰筋のストレッチと筋力トレーニングを同時に行えます
- 水中スクワット:浅めに膝を曲げるだけで十分。陸上と比べて膝や股関節への衝撃が大幅に少なくなります
市区町村の温水プール(障害者割引や高齢者割引を利用できる場合あり)を活用すると、費用を抑えて継続しやすくなります。
やってはいけない運動と痛みが出たときの対処
避けるべき運動・動作
変形性股関節症の方が避けたほうがよい運動や動作があります。下記は股関節への負荷が大きく、症状を悪化させるリスクがあります。
避けるべき運動
- 深いスクワット(股関節に大きな負荷がかかる)
- ジャンプ運動(着地時の衝撃が関節を傷める)
- 過度なランニング(繰り返しの衝撃が軟骨に悪影響)
- 激しいテニスやバドミントンなど急激な方向転換を伴うスポーツ
避けるべき日常動作
- 長時間のあぐら(股関節が不自然にねじれる)
- 正座(膝だけでなく股関節にも負担がかかる)
- 重い荷物の持ち運び(関節への圧迫が増す)
- 和式トイレのしゃがみ姿勢(股関節の屈曲が深すぎる)
痛みが出る動作は、体からの「やめてください」というサインです。無理をせず別の方法に切り替えましょう。
運動中・運動後に痛みが出たときの対処法
運動中に普段と違う痛みが生じた場合は、すぐにその動作を止めてください。
- 軽い違和感・疲れ感:しばらく安静にして様子をみましょう。翌日に痛みが残っていなければ、次の運動は強度を少し下げて再開できます
- 運動後に痛みが続く(1〜2時間以上):その日は運動を中止し、アイシング(10〜15分)を行ってください。翌日以降も痛みが引かない場合は医療機関を受診しましょう
- 関節が腫れて熱を持っている:炎症が起きているサインです。冷やして安静にし、速やかに医師に相談してください。この状態では運動を控えることが原則です
「痛みが出たら無理をしない」「痛みが引いたら少し弱い強度で再開する」というサイクルを守ることが、長く続けるコツです。
運動療法の効果を高めるポイント
ストレッチや筋トレの効果を最大限に引き出すために、以下のポイントを意識しましょう。
運動前の温熱療法
運動の前に股関節まわりを温めると、筋肉や関節がほぐれて動かしやすくなります。
おすすめの温め方
- 入浴後の体が温まっているタイミングで行う
- 蒸しタオルやホットパックを股関節に10〜15分あてる
- カイロや温熱シートを活用する(低温やけどに注意)
温めることで血行が良くなり、痛みの軽減にもつながります。冬場や冷房の効いた部屋では、運動前の温めを習慣にすると良いでしょう。
頻度と時間の目安
理想は毎日10〜15分、無理なく続けられるペースで行うことです。
- 週に3回以上が望ましいですが、毎日少しずつでも効果があります
- 1回の運動は15〜20分程度を目安にしましょう
- 20分以上の連続した運動は股関節に負担がかかることがあるため、途中で休憩を入れてください
- 痛みが強い日は休んでも構いません。「調子が良い日に多めにやる」のではなく、「毎日少しずつ」が大切です
日常生活で股関節を守るコツ
運動療法とあわせて、毎日の生活習慣を見直すことも股関節を長持ちさせるポイントです。
体重コントロール
体重が1kg増えると、歩行時に股関節にかかる負荷は約3kg増えるといわれています。適正体重を維持することは、最も効果的な関節の保護策のひとつです。
急激なダイエットは筋力低下につながるため、バランスの良い食事と軽い運動で少しずつ体重を管理していきましょう。
洋式生活への切り替え
和式の生活動作は、股関節に大きな負担をかけます。以下のような工夫で関節への負担を減らせます。
- トイレは洋式に(和式の場合は補助便座を活用)
- 布団よりもベッドを使う(床からの立ち上がりの負担を軽減)
- 正座やあぐらを避け、椅子を活用する
- 台所仕事はなるべく椅子に座って行う
冷え対策と入浴
冷えは股関節の痛みを悪化させる要因のひとつです。
- 冬場は股関節まわりを冷やさないよう、レッグウォーマーや腹巻きを活用しましょう
- シャワーだけで済ませず、38〜40度のぬるめのお湯にゆっくり浸かると、血行が良くなり痛みの緩和に役立ちます
- 入浴後は体が温まっているうちにストレッチを行うと効果的です
人工股関節置換術後のリハビリ
変形性股関節症が末期まで進行し、保存療法では痛みが改善しない場合、人工股関節置換術(じんこうこかんせつちかんじゅつ)が検討されます。

人工股関節置換術とは、傷んだ股関節の骨と軟骨を取り除き、金属やポリエチレンでできた人工の関節に置き換える手術です。痛みの大幅な軽減と歩行能力の回復が期待できます。
手術後の流れとリハビリ内容
一般的には、手術の翌日からリハビリが始まります。
術後1〜2日目
ベッド上での足首の運動や、膝の曲げ伸ばしから始めます。血栓(けっせん)予防のために足を動かすことが大切です。
術後3日〜1週間
歩行器や杖を使って歩行訓練を行います。体重をかける量は医師の指示に従ってください。
術後2週間〜退院
階段の昇降練習や、日常生活動作の練習を行います。入院期間は一般的に2〜4週間程度です。
退院後
自宅でのリハビリを継続します。この記事で紹介したストレッチや筋力トレーニングは、術後のリハビリにも活用できます(時期や内容は主治医に相談してください)。
術後に注意すべき動作(脱臼予防)
人工股関節は、特定の姿勢で脱臼するリスクがあります。術後3か月間は特に以下の動作を避けてください。
- 足を深く曲げる(股関節の屈曲90度以上)
- 足を内側にひねる(内旋)
- 足を組む
- 低い椅子や床に座る
- かがんで靴を履く(長い靴べらを使いましょう)
退院時に医師や理学療法士から指導がありますので、指示をしっかり守ることが大切です。
リハビリだけでは改善が見られない方へ|再生医療という選択肢
「運動を続けているけれど痛みがなかなか引かない」「手術はできれば避けたい」とお考えの方に、近年注目されているのが再生医療です。
変形性股関節症について、さらに詳しくはこちらの記事でも解説しています。
幹細胞治療(かんさいぼうちりょう)は、ご自身の脂肪から採取した幹細胞を股関節に注入する治療法です。幹細胞が傷んだ組織の修復を促し、痛みの軽減や関節機能の改善が期待できます。
PRP療法(多血小板血漿療法)は、ご自身の血液から血小板を濃縮して股関節に注入する治療法です。血小板に含まれる成長因子が、組織の修復を促進します。
いずれも自身の細胞や血液を使うため、副作用やアレルギーのリスクが低いことが特長です。入院の必要がなく、日帰りで受けられます。
注射の種類や詳しい治療内容についてはこちらの記事もご参考ください。
大切なのは「何歳の細胞か」ではなく、「どのように培養されたか」です。当院では培養技術と品質管理にこだわり、患者さまお一人おひとりの症状や進行度に合わせた治療プランをご提案しています。「自分の場合はどの治療が合っているのか」「リハビリと組み合わせてどう進めるべきか」など、お気軽にお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
変形性股関節症でやってはいけない運動は?
深いスクワット、ジャンプ運動、過度なランニングは股関節に大きな負荷がかかるため避けましょう。また、長時間のあぐらや正座も関節を痛める原因になります。痛みが出る動作は中止し、この記事で紹介したような低負荷の運動を選ぶことが大切です。
ストレッチは痛みがあるときもして良い?
軽い違和感やこわばり程度であれば、ゆっくりとしたストレッチは行っても問題ありません。ただし、ズキズキと強い痛みがある場合や、関節が熱を持って腫れているときは運動を控え、安静にしてください。痛みが続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
プールでのウォーキングは効果がありますか?
水中ウォーキングは非常におすすめです。浮力によって股関節への負荷が大幅に軽減されるため、陸上よりも楽に運動できます。水の抵抗が適度な筋力トレーニングにもなり、変形性股関節症のリハビリとして広く推奨されています。水温が低すぎると関節がこわばるため、温水プールが理想的です。
臼蓋形成不全がある場合、ストレッチや筋トレはどのようなものが適していますか?
臼蓋形成不全(股関節の受け皿が浅い状態)の場合は、過度な開脚や深いスクワットは軟骨への負担を増やすリスクがあります。特に重要なのは中殿筋・大腿四頭筋・内転筋の強化です。この記事で紹介した「横向きで足上げ(中殿筋)」「SLR(大腿四頭筋)」「クッション挟み(内転筋)」が適しています。詳しくは整形外科や再生医療専門のクリニックにご相談ください。
何科を受診すればいいですか?
股関節の痛みや違和感がある場合は、まず整形外科を受診してください。レントゲン検査やMRI検査で関節の状態を確認し、適切な治療方針を立てることができます。再生医療を検討される場合は、再生医療を取り扱っている専門のクリニックにご相談ください。
まとめ
変形性股関節症のリハビリでは、ストレッチで柔軟性を保ち、筋力トレーニングで関節を安定させることが基本です。今回ご紹介した5つのストレッチと4つの筋力トレーニングは、どれも自宅で簡単に取り組めるものばかりです。
進行度によって適切な運動は異なります。前期・初期のうちに始めるほど進行を遅らせる効果が期待できます。水中運動は関節に優しく、陸上の運動が負担に感じる方にも取り組みやすい方法です。
大切なのは、毎日少しずつ継続すること。一度にたくさん行うよりも、無理のない範囲で習慣にしていくほうが、長い目で見て大きな効果が期待できます。
「運動を続けても痛みが改善しない」「手術以外の方法を探している」という方は、再生医療という選択肢もあります。当院では幹細胞治療やPRP療法など、患者さまの状態に合った治療をご提案しています。お気軽にお問い合わせください。
No.0035
監修:院長 坂本貞範





